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つまらないものですが、夏期講習 3日目

最後にGnau族の「贈答文化」にもう少し触れておきましょう。贈り物をもらったら必ずお返ししないといけない"reciprocity"がその特徴です。
だからUltimatum Gameで、もし何十ドルも受け取ると、西洋人には嬉しい“a free money”なのに、Gnau族にとっては、いずれ返さないといけない“unwanted obligation(ありがた迷惑な負担)”になってしまう。
そこで半分の$50よりたくさんの金額を提示されても拒否する人がいて、それを見て西洋人は、はじめ驚くわけですが、背景にこんな文化的事情があるというのがわかったら納得できると言っています。

実は日本文化にもこれと共通する慣習があるんですね。お歳暮に超高級な菓子折りを差し出すときでも「つまらないものですが」と言って渡したりするのがそれです。あと、記念品なんかの袋に「粗品」と書いてあるのを見かけることもあるでしょう。
粗品ってチャチな安物という意味ですね。それを人にあげるプレゼントに書いておくことは我々日本人には見慣れたもので別に奇異ではありませんが、でも、ちょっと考えてみてください。まさか外国人が人に贈り物するときに「アー、コレ100円ショップでカッタ、メイドインチャイナのヤスモノ、アナタにアゲル」とは言わないでしょう(笑)。

やはりこれは日本人文化に独特な慣習のようですが、なぜ大切な人への贈り物を自分で貶すのでしょうか?
もう20年以上前のことですが学生時代、東京外大の先輩が書いた論文に、この疑問に見事に答えてくれたものがありました。曰く、日本人にも贈り物をもらったら必ずお返ししないといけない"reciprocity"があって高価なものをもらえば高価なものをお返ししないといけない。だから、もらった相手が負担に感じないように、あげるほうは予めこう言っておくわけです、「これは捨ててもいいくらい、つまらないもの、安物なんですよ。だから何か高い品物をお返ししなきゃなんて思わないで、気楽に受け取ってくださいね」と。そんな細やかな気づかいと思いやりに満ちた言葉だったんですね。

余談ですがこの先輩は女性で、外大卒業後、東京大学の大学院博士課程まで進んだ、たいへんな才女ですが、私たちに対しては弟妹の面倒見のいいお姉さんみたいな存在で、その論文にあるとおり、よく気が利いて、思いやりのある、やさしい人だった思い出があります。

いっぽう「近頃の若いもんはあ…」じゃありませんが、平成生まれの人と接してると、このような日本人の美徳も世代が下がるにつれ、だんだん廃れてきたなという感は否めません。

それでも災害など危急の事態が起こったときは日本人の「思いやり」が顔を出すのを目撃された方は多いのではないでしょうか。
Fukushimaでは今でも復興ボランティア活動が続いており日本全国から毎週途切れることなく有志が集まって貢献しています。
私も都合がつく限り参加していて、他の方と交流する機会もよくあるのですが、遠くから参加されている方の動機をおうかがいすると日本は災害列島なんだから、「明日は我が身」「お互い様」というような言葉をよく耳にします。まさに見ず知らずの他人でも助け合う「思いやり」ですね。

若い被災者にも、それに答えるかのような人もたくさんいます。昨年、地元の高校の文化祭の展示を見に行ったのですが生徒たちが書いたメッセージを読むと「震災のとき世界中の人たちから助けてもらった。だから将来、人を助ける職業になりたい」といった内容のものを多く見かけ、とても感動しました。

またつい先日のことですが、盆休みが終わり東京からFukushimaへ戻るバスの中で、この記事を書くために、上のようなことを思い出したりしながら考え事をしていると、途中トイレ休憩で止まったパーキングエリアで、ある文字がふと目に飛び込んできました。
大きな駐車場では、建物から一番近い駐車スペースに身障者など優先用に車椅子マークがついた駐車スペースがありますよね、そこに白字で「おもいやり」と書いてあったんです。

これも日本人が誇る文化だなあと思いました。たしかにアメリカにも身障者優先駐車スペースはあるし、おそらくこれはもともとアメリカから日本に入ってきたものでしょう。でも、違うのはアメリカの場合、一般者がそこに止めたら高額の罰金を取られる、だから普通アメリカ人は止めないだけで、裏を返せば罰金でも科さないときちんと守らないということでしょう。

いっぽう日本人なら罰金なんて下衆なこと言わないで「思いやりの心」に訴えようよというわけです。素敵だと思いませんか。私の知る限りアメリカ人でも、こういう考え方を知ったら「おもいやり」のほうが素晴らしいと考える人が多いんじゃないかと思います。嫉妬が起こらなければ、ですが(笑)。

でも留学中、私の自転車を盗まれたことがあったとき、アメリカ人の友人の友人(よって直接、面識のない方)が、使ってない自転車があるからあげるといって、随分高そうな自転車を頂いたことがあります。いくらかお礼したいと言ったのですが「要らなくなったら、また誰か次に必要な人にあげてくれれば、それでいい」とお金は受け取られませんでした。留学を終えアメリカを去るとき、言われたように私もその自転車を欲しい人に無料で譲りましたが、これなどはアメリカ式「助け合い」の精神といえそうです。

¶9の最終文で言っているのもだいたい同じことです。
...once they (= understandings about how the world is supposed to work) have been accepted, their commonsense logic works in exactly the same way as ours does.

そして最後に残った問[28]は上の文のパラフレーズを探すと答えが見つかります。

[28] According to the article, which of the following is true about commonsense principles?
1. Commonsense principles such as fairness and reciprocity are universally accepted not only in industrial societies but also in preindustrial societies.
2. Commonsense principles of preindustrial societies will eventually be replaced by those of industrial societies.
3. Commonsense principles of preindustrial societies and those of industrial societies are both equally functional in their own societies.
4. Commonsense principles are deeply rooted in all kinds of human knowledge, including formal knowledge like science and mathematics.

正解は3ですね。

"夏期講習4日目"へつづく

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cointelpro mk ultra

Author:cointelpro mk ultra
The writer of 『拝啓 日本のギャングストーカー犯罪者の皆様』(Dear COINTELPRO Criminals) <集団ストーカーの死> (The Death of COINTELPRO Stalkers), and "Unprecedented Human Rights Violation" Discussion Room / Study Room. Also a co-editor of 「新しいタイプの人権侵害・暴力」(Unprecedented Human Rights Violation)

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